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局所排気装置に「簡易ブース」はない?設置費用や法令上の注意点を解説

公開日:2026.10.26

「できるだけ安価な簡易ブースを導入したい」と考えたことはありませんか?

結論から言うと、法令上の要件を満たす局所排気装置を、数十万円程度で簡易的に設置することは現実的ではありません。

局所排気装置の設置には、必要な排気性能を確保するためのファンの選定やダクト工事などが必要です。

安価なブースを購入して設置するだけでは、法令上求められる条件を満たせない可能性があります。

本記事では、局所排気装置の設置に必要な条件や費用の目安、導入時の注意点について解説します。

■商品ページ:塗装ブース(局所排気装置)

■商品ページ:プッシュプル型換気装置

局所排気装置に「簡易ブース」はない?

屋内で有機溶剤を使用する塗装作業では、作業内容や使用する物質などの条件に応じて、有機則や特化則に基づく換気設備の設置が必要です。

こうした作業に対応する局所排気装置を設置するには、ブース本体だけでなく、必要な排気性能を確保するためのファンの選定やダクトの設計・施工が欠かせません。

必要な排気性能は、ブースの形状や開口部、ダクトの長さ・経路などによって変わります。

そのため、ブース本体や排気ファンを設置するだけでは、法令上の要件を満たせない場合があります。

法令上の要件を満たす局所排気装置の導入には、ファンやダクトを含めた設備全体の設計・施工が必要です。

ブース本体を置くだけで済むような「簡易ブース」はないと考えましょう。

局所排気装置の法令上の要件と制御風速

屋内で有機溶剤を使用する塗装作業などでは、有機則などに基づき、作業内容や使用物質などの条件に応じて、局所排気装置やプッシュプル型換気装置などの設置が求められます。

設備を設置すればよいというわけではなく、対象となる作業に適した構造や性能を備えていることが大切です。

有機則で定められている主な要件は以下となります。

確認項目法令上の主な要件
フードの構造・配置発散源に適した型式・大きさとし、外付け式は発散源にできるだけ近づける
ダクトできるだけ短くし、曲がりの数を少なくする
排気口原則として直接外気に向けて開放する。一定の条件では屋根から1.5m以上の高さが必要
装置の性能装置の形式に応じた制御風速を確保できる能力を備える
定期自主検査対象となる装置は、原則として1年以内ごとに1回、損傷の有無や吸排気能力などを検査する

局所排気装置の設計で最も重要なのが「制御風速」です。

有害物質を発生源から吸引し、作業者の周囲に拡散させないために必要な風速のことを指します。

例えば、有機則の第16条では、局所排気装置の制御風速について、囲い式フードは0.4m/s、外付け式フードは側方吸引型・下方吸引型が0.5m/s、上方吸引型が1.0m/sと定められています。

制御風速を測定する位置は、フードの形式によって異なるので、注意が必要です。 

出典:有機溶剤中毒予防規則 第16条(e-Gov法令検索)

必要な風速を確保するには、ファンの能力だけでなく、ブースの形状や開口部、ダクトの長さ・経路なども考慮しなければなりません。

同じファンを使用しても、ダクトが1mの場合と10mの場合では、圧力損失などの影響によって吸引性能が変わります。

局所排気装置の設置費用は200万円以上が目安

法令上の要件を満たす局所排気装置を設置するためには、必要な工事も含めて、最低でも200万円以上の費用が必要だと考えましょう。

  • ブースのサイズ: 塗装するワークの大きさや作業方法に合わせて決定する
  • ファンの能力: 必要な制御風速やダクトの圧力損失を考慮して選定する
  • ダクト工事: ダクトの長さや経路、曲がりなどによって必要な仕様が変わる
  • 排気設備の施工: 排出口の位置や建物の構造などを考慮して施工する

現場ごとに必要な仕様が異なるため、費用も変動します。

価格が安いかどうかで設備を選ぶのではなく、必要な性能を確保できるかを確認したうえで、見積もりを取ることが大切です。

局所排気装置を設置する流れと注意点

局所排気装置の導入では、現地の状況を確認しながら、適切な設備を選定する必要があります。

大まかな導入の流れは、以下のとおりです。

  1. 初回訪問・ヒアリング: 使用する塗料やシンナー、作業内容、ワークのサイズなどを確認
  2. 設備メーカーの選定: 必要な性能や設置条件に応じて、適切なブースメーカーを選定。
  3. 現地調査: メーカーとともに現地を訪問し、設置場所やダクトの経路、排出口の位置などを確認
  4. 設計・見積もり: 必要な排気性能などを踏まえて設備を設計し、費用を算出
  5. 届出・設置工事: 必要な届出を行ったうえで、設置工事を開始する

特に注意したいのが、設置場所と届出の確認です。

排出口の位置や高さは、適用される法令・基準や現場条件を踏まえて検討する必要があります。

局所排気装置は、工事開始の30日前までに届出が必要です。

局所排気装置の届出については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:局所排気装置設置時の届出は義務?必要な書類をわかりやすく解説

また局所排気装置本体と設置工事を含む請負金額が税込500万円以上となる場合、工事内容に応じた建設業許可が必要です。

ミドリ商会は機械器具設置工事業の許可を取得しており、設備の導入から設置工事まで対応しています。

■ミドリ商会の許可登録一覧はこちら

塗料やシンナーの切り替えで局所排気装置が不要になる可能性も

設備の導入を検討する際は、塗料やシンナー自体を見直すことも選択肢の一つです。

局所排気装置の設置が必要かどうかは、使用する塗料やシンナーに含まれる成分によっても変わります。

有機則や特化則の対象となる物質を含まない塗料やシンナーに切り替えることで、これらの規則に基づく局所排気装置の設置義務がなくなる場合があります。

ミドリ商会では、有機則や特化則非該当の塗料や水性塗料などの健工塗料®を多数取り扱っており、お客様の状況やご要望に合わせての提案が可能です。

健工塗料®については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

参考記事:健工塗料®とは?導入するメリットや置き換え可能な業種を解説

局所排気装置のことはミドリ商会にご相談ください

局所排気装置は、安価な設備を購入して設置すればよいというものではありません。

使用する塗料や作業環境に応じて、必要な性能を確保することが重要であり、それが従業員の健康と安全の確保につながります。

ミドリ商会では、局所排気装置の設置について、現地調査から設備メーカーの選定、導入・設置工事まで一貫して対応が可能です。

また年次点検のアフターサービスにも対応しています。

局所排気装置の設置を検討している方や、現在の作業環境に適した設備がわからない方は、ミドリ商会までお気軽にお問い合わせください。