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塗料ブログ

ケレンには種類がある?1種ケレン、2種ケレン、3種ケレン、4種ケレンの違いをチェック

ケレンには種類がある?1種、2種の違いをチェック

ケレンは塗装における重要工程の一つです。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、
語源は英語の「clean(クリーン)」からきているとも言われており、
塗装前の下地をキレイにする工程です。ケレンについて確認していきましょう。


ケレンとは?

ケレンは英語の「clean(クリーン)」が語源とされる塗装前の重要工程です。
まずはケレンの概要と目的について確認しましょう。

 塗料の密着を高める下地処理

ケレンは塗装前の鉄などの素材に対して行なう下地処理のことを指します。

新品素材の場合は黒皮、再生素材の場合はサビや死膜を落とすのがケレンの目的です。
ケレンを行なうことにより、
素材への塗料の密着性を高めることができます

ケレンは塗料が塗りやすいように素材の下地を調整することだと覚えておきましょう。

 塗膜の寿命に関わる重要工程

適切なケレンを行わないと、ずばり塗膜の寿命が短くなってしまいます
塗膜の寿命が短くなる要因には以下のことが考えられるでしょう。

  • ホコリなどの汚れが落ちておらず、塗料の密着性が悪い
  • 素材に残ったサビが広がってしまい浸食する

ケレンは付着したホコリなどを落としたり、サビを落としたりして素材表面をキレイにする工程です。
塗膜の寿命を伸ばす重要工程だと言えるでしょう。

ケレンの種類

ケレンはショットブラストなど大型設備で行なものから、
ヤスリなど小型工具で行うものまで
4つの種類に分類されます。
ケレンの種類について確認していきましょう。

1種ケレン・・・サビ、死膜を完全に除去し、鋼材面を露出させる

2種ケレン・・・サビ、死膜を除去するが、完全には除去しない状態

3種ケレン・・・活膜を残して、サビと死膜を除去する

4種ケレン・・・粉化物やその他の汚れを除去する

 

 1種ケレン

サビ、死膜を完全に除去して、鋼材面を露出させるのが1種ケレンです。
ショットブラストやサンドブラストなどのブラスト法を使用します。
1種ケレンは研磨剤を高圧ホースなどで素材にぶつけることで、鋼材面を露出させる方法です。
1種ケレンには大型の設備が必要となり、かなりの手間がかかります。

 2種ケレン

2種ケレンはサビや死膜を除去しますが、完全には除去しない方法です。
サビが発生している面積が鋼材の30%以上の場合に用いると覚えておきましょう。

2種ケレンはディスクサンダーやワイヤーホイールなどの電力工具を主に使用します。
職人が手作業で行なうため、手間が掛かり作業代が高額になる可能性が高いです。

 3種ケレン

3種ケレンでは活膜は残して、サビと死膜を除去します
活膜とは旧塗膜でもしっかりと密着しているものです。
1種ケレンや2種ケレンでは活膜も含めて旧塗膜を除去しますが、
3種ケレンでは活膜を残してケレンを行ないます。
1種ケレンや2種ケレンより作業する箇所が少なく済むのが特徴です。
ワイヤーブラシややすりなどの手動工具を使用します。

 4種ケレン

粉化物やその他の汚れを除去するのが4種ケレンです。
サビや旧塗膜の劣化が少ない鋼材に用いる方法で、
ワイヤーブラシやサンドペーパーなどを使用します。
サビがない場合は、表面に付着した汚れを洗浄するだけのケースもあるでしょう。

ケレンが塗装前に必要な理由

1種から4種まで程度の違いはありますが、ケレンは塗装前に必須の工程です。
ケレンが塗装前に必要な理由を確認しましょう。

 塗装の性能を十分に発揮させるため

そもそも塗装は素材の保護と美観の維持を目的としています。
ケレンを適切にしなかった場合、
塗装の性能を十分に発揮できない恐れがあると考えておきましょう。

ケレンは塗料の密着性を高めるために行ないます。
ケレンが不十分な場合は、
ンカー効果が得られず、塗装の仕上がりや効果に悪影響が出てしまうこともあるでしょう。

せっかく高価な塗料を使ったのに、期待できる性能が発揮できないのは、とても残念なことです。
このようなことを防ぐためにも適切なケレンをしてください。

 塗膜の剥離を防ぐため

適切なケレンを行わず、素材にサビが残っていた場合、どうなるでしょうか?

当然、塗料が素材に密着せずに塗膜が早期に剥離する原因となります
どんなに良い塗料を使っても土台となる素材の状態が悪ければ、サビの浸食を防ぐことはできません。

ケレンは2~3年後の塗装の状態を左右する重要な工程です。
塗装前に確実に実施するようにしてください。

まとめ|ケレンを制する者が塗装を制する

ケレンは塗装前の工程なので、重要視されていないケースが多くあります。
しかし、
ケレンこそが塗装における最重要工程だと言っても過言ではないでしょう。

ケレンは地味で労力のかかる工程ですが、将来の塗装を左右すると考えて、確実に実施してください。
まさに「ケレンを制する者が塗装を制する」と言えるでしょう。

ケレンについて質問がある方は、ぜひ下記よりミドリ商会までお気軽にお問い合わせください。

ミドリ商会塗料コンサルタント水野雄介

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◆塗装におけるケレンの基礎知識

<サビに関する記事はこちら>
◆良いサビ?悪いサビ?
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