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塗料ブログ

メチルイソブチルケトンの発がん性は?人体への影響や対処法を解説

「使っている塗料に含まれるメチルイソブチルケトンに発がん性があるって聞いたけど、本当?」と心配される方もいるかもしれません。

メチルイソブチルケトンは「人に対して恐らく発がん性がある」とされる化学物質ですので、特徴を知って適切な対策をして使用することが大切です。

本記事ではメチルイソブチルケトンの発がん性を含む人体への影響や対処法をわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。

 

メチルイソブチルケトンとは?

メチルイソブチルケトン(MIBK)とは、合成樹脂などの溶媒、接着剤や塗料の成分に使わる有機溶剤で、シンナーのような特有の甘いにおいがある無色透明な液体です。

メチルイソブチルケトンは「人に対して恐らく発がん性がある」化学物質であり、エチルベンゼンと同様に特化則の対象となっています。

メチルイソブチルケトンを含む製品を屋内で使用する場合、従業員の特殊健康診断受診や作業環境測定の実施が事業者に義務付けられており、結果を30年間保管する必要があります。

 

メチルイソブチルケトンの人体への影響(発がん性)

メチルイソブチルケトンは有害性が高い物質であり、ばく露することで人体に以下の影響があります。

  • 目や粘膜に刺激性がある
  • めまいや頭痛を引き起こす
  • 発がん性が高まる

参考:職場の安全サイト 安全データシート「メチルイソブチルケトン」

メチルイソブチルケトンは目や粘膜に刺激性がある物質で、安全データシートの眼に対する重篤な損傷性又は刺激性の評価で「危険有害性※区分2」に分類されています。

※危険有害性区分は1~4があり、数字が小さい方が危険・有害性が高い

またメチルイソブチルケトンにばく露することで、麻酔症状が出ることもあり、めまいや頭痛が起こることもあるでしょう。

メチルイソブチルケトンの人体への影響で最も注意したいのが発がん性です。

メチルイソブチルケトンの発がん性区分は1Bであり、「人に対して恐らく発がん性がある」とされています。

元々はエチルベンゼンと同じく「人に対する発がん性が疑われる」発がん性区分2でしたが、2021年に区分1Bに見直されました。

発がん性では、エチルベンゼンよりメチルイソブチルケトンの方が危険と考えた方がよいでしょう。

 

メチルイソブチルケトンによるトラブルの対処法

メチルイソブチルケトンを取り扱う現場で万が一のトラブルを防ぐためには、以下の2点を徹底することが大切です。

  • 排気装置を設ける
  • 適切な保護具を身に付けて作業する

それぞれを詳しく確認していきましょう。

排気装置を設ける

メチルイソブチルケトンは、塗料や部品の洗浄剤に使用されることが多い化学物質です。

ばく露から身を守るためには、物理的に屋外へ排気することが大切です

特化則の対象物質であるメチルイソブチルケトンを屋内で取り扱う場合は、塗装ブースなどの局所排気装置を設置することが定められており、定期的に自主検査を行い、常に排気が万全な状態にする必要があります。

適切な保護具を付けて作業する

メチルイソブチルケトンが入った製品を取り扱うときは、適切な以下の保護具を身に付けることが大切です。

  • マスク
  • 防護服、保護手袋
  • ゴーグル

短期間では保護具無しでも体調は悪くならないかもしれませんが、メチルイソブチルケトンは長期間のばく露で発がん性が高まる可能性があります

将来の健康を守る意味でも、保護具を確実に身に付けて作業することが大切です。

 

メチルイソブチルケトンによる労働災害の事例

過去にはメチルイソブチルケトンを含む塗料が原因で労働災害も発生しています。

以下の参考サイトに記載があるのは、汚水処理槽のタンクの内部にサビ止め塗装を施す際に、塗料から蒸発した有機溶剤を吸引してしまい、意識を消失してしまった事例です。

狭いタンク内での作業で換気が不十分であったことと、適切な保護具を身に付けていなかったことで起こった労働災害であり、適切な対応をしていれば防げた事例だともいえるでしょう。

参考:職場のあんぜんサイト「労働災害事例」

 

メチルイソブチルケトンのことを知って正しい対応を

メチルイソブチルケトンは発がん性がある化学物質です。塗装や部品の洗浄で長年メチルイソブチルケトンに知らず知らずのうちにばく露していると、発がんリスクが高まる可能性があります。

発がんリスクを下げるためには、適切な保護具を身に付ける、排気設備の検査を確実に行うなどの対策が必須です。

メチルイソブチルケトンを含まない塗料や洗浄剤に切り替えるのも対策の1つかもしれません

ミドリ商会では人体への負荷が小さい塗料の提案を行っています。

保護具や排気設備についても提案可能ですので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。

 

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