工業塗装における「焼付塗装」の工程をわかりやすく解説
「焼付塗装をしたいけれど、どこに依頼すればよいかわからない…。」とお困りの方は塗料コンサルタントのミドリ商会にお任せください。
この記事では工業塗装における焼付塗装の工程をわかりやすく解説しています。
工程のポイントや使用している塗料や道具も紹介していますので、焼付塗装について詳しく知りたい方は必見です。
焼付塗装とは?
焼付塗装とはワークに付着させた塗料を加熱炉で硬化させる方法です。
焼付塗装に使われる塗料で一般的に知名度が高いものには、溶剤型のメラミン樹脂塗料や粉体塗料があります。
焼付塗装と聞くと「塗膜が強い」とイメージされる人が多いかもしれませんが、塗料の選定を間違ってしまうと塗膜性能が発揮されません。
例えば、屋外で使うのに耐候性が弱い塗料を選定すると、早期剥離や白化の原因となります。
焼付塗装に限ったことではありませんが、目的別に塗料を使い分けることが大切です。
役所関連の仕事では、塗装仕様書が用意されていることもあります。
使用した塗料や乾燥条件を出荷証明書で提示する場合もありますので、覚えておきましょう。
焼付塗装の工程
焼付塗装の工程はざっくり以下のとおりです。
シンナー脱脂
ペーパー研磨(サンディング)
シンナー脱脂
下塗り
上塗り
強制乾燥
今回は実際にA社の塗装現場を見学させていただきました。
実際に使用している塗料や道具と合わせて紹介します。
1.シンナー脱脂
塗装前の鉄などの素材は、表面の油分や汚れを落とすためにシンナーで脱脂します。
あらかじめ油分を除去することで、塗料の密着性が高まります。
2.ペーパー研磨(サンディング)
次に行うのがサンダーに研磨ペーパーを取付けて、素材の表面を荒らすサンディングと呼ばれる工程です。
ツルツルの素材より、目荒らしをしてザラザラにした素材の方が塗料の密着性が高まります。
A社では素材表面にキズがバリがある場合は#150を使い、それ以外は#320のペーパーを使用しているようです。
このペーパー研磨の作業はケレンとも呼ばれます。塗装作業で重要なケレンについては
でも解説していますので、合わせてご確認ください。
3.シンナー脱脂
ペーパー研磨後にもう一度シンナー脱脂を行います。
目的はゴミやホコリ、油分の除去です。
塗装前に取り除かなければ、ブツなどの不具合を引き起こす可能性があります。
4.下塗り
いよいよ下塗り塗装です。A社では主にナトコのハイメリットプライマーNo500を使用しています。
白色が基本ですが、上塗りがシルバーの場合はグレーを採用しているようです。
A社では旭サナックのガンを使用して、静電塗装を行っています。
帯電した塗料を塗布することで、飛散が少なく塗料を節約できます。下塗り塗料の膜厚は約20μmです。
静電塗装は作業時間とコストを圧縮できる塗装方法です。こちらの記事でメリットや具体的事例を解説しています。
5.上塗り
A社で使用しているプライマーはウェット状態でも上塗りできるため、下塗り後2~3分で静電塗装で上塗りを行います。
上塗り塗料の膜厚も約20μmです。下塗りと合わせると塗膜は約40μmとなります。
※塗装する素材がステンレスかアルミの場合や膜厚が厚い場合は、上塗り前に中塗りの工程が入ることがあります。
6.乾燥
上塗り後は乾燥工程です。
専用の乾燥炉で130℃に到達後、約20分保持させることによって、塗膜が完成します。
乾燥炉から出して冷却が終われば、焼付塗装は完了です。
焼付塗装の工程は動画【焼付塗装を2分で解説!】でも解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
焼付塗装のご依頼はミドリ商会に
焼付塗装は比較的多くのワークを処理できる効率的な塗装方法ですが、専用の乾燥炉が必要なので、専門業者での対応が必須となります。
ワークの焼付塗装を検討している方は、ぜひ一度ミドリ商会までお問い合わせください。
専門業者とも連携しているため、最適な提案が可能です。