塗着効率はどうやって上げる?具体的な方法や比較テストをチェック
「塗料の消費量を削減したい!」「塗装を短時間で仕上げたい!」とお考えではありませんか?
これらのお悩みは、ワークへの塗着効率を上げることで解消できる可能性があります。
本記事では、塗着効率の概要から向上させる具体的な方法までわかりやすく解説しています。
実際に塗料を使用した比較テストについても紹介していますので、塗装の課題を改善したいと考えている方は必見です。
目次
塗着効率とは?
塗着効率とは、塗料がワーク(被塗物)にどれだけ付着したかの割合を示す指標です。
噴霧した塗料のうち、どれだけ製品に残ったのかを%で表します。
例えば、100gの塗料を噴霧した際に、60gがワークに付着していれば、塗着率は60%です。
塗着効率は、塗装コストや塗料の品質に直結する重要な指標となります。
塗着効率が悪いということは、無駄な塗料が多いということであり、塗料コストだけでなく、環境負荷も高くなります。
塗着効率を高めるメリット
多くの工場で使用されている一般的なエアスプレーガンでの塗着効率は、約20~30%と決して高くありません。
塗着効率を高めることで、以下のメリットが得られます。
- 使用量削減による塗料コストの削減
- 少ない回数で膜厚の確保が可能
- 塗装品質の向上
- 廃塗料の削減
このように塗着効率を高めることで、塗料のコストだけでなく、品質の改善にもつながります。
塗装を行う企業にとってはメリットが大きく、利益確保と同時に環境負荷低減などの社会価値につながる取り組みです。
液体塗料の塗着効率を高める方法
液体塗料の塗着効率を高めるためには、以下の方法が有効的です。
- 静電塗装機を導入する
- 高効率のエアスプレーガンを導入する
- 塗装機の設定を最適化する
それぞれの方法を掘り下げて確認していきましょう。
静電塗装機を導入する
静電塗装は、塗料を帯電させることで、ワークへの塗着効率を上げる方法です。
静電塗装機を導入すれば、塗着効率は最大で約85%まで大幅に改善できます。
静電気による巻き込みの力を利用する静電塗装であれば、ワークの側面や裏面にまで塗料が回りこむため、塗装工数を大幅に削減して、塗料の節約が可能です。
静電塗装の詳しい説明は以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
参考記事:静電塗装機を使いこなそう!効率的に使う方法や長く使うコツを紹介
■商品ページ:静電塗装システム(日本ワグナー・スプレーテック)
高効率のエアスプレーガンを導入する
静電塗装機は大幅に塗着効率を上げられる方法ですが、設備の導入費用が高額であり、使い方を誤ると火災のリスクが高まるといったデメリットもあります。
そこでおすすめしたいのが、同じエアスプレーガンでも高効率タイプのものに変更する方法です。
ミドリ商会が取り扱うエアスプレーガン『GM1030シリーズ』は、従来のエアスプレーガンと同様の使い方で、高塗着効率を実現します。
高額の設備投資が不要であり、今すぐ塗着効率を高めたい現場では有効的です。
■商品ページ:高塗着効率エアスプレーGM1030G・GM1030P
塗装システムの設定を最適化する
現状の塗装システムでも、塗料の噴霧圧力や吐出量、パターン幅、塗装距離、塗装角度など設定値を変更することで塗着効率を上げられる可能性があります。
また作業者のスキルによっても塗着効率は変わるため、作業工程の標準化や教育も大切です。
従来の塗装方法を少し変えるだけでも、塗着効率が改善できる場合もあります。
従来の方法が最適とは考えずに、常に「改善する」意識が大切です。
塗着効率の比較テスト
上の画像は、A社のエアスプレーガン2種類と高塗着効率エアスプレーガンGM1030Gで、塗装の比較テストを行ったものです。
A社のエアスプレーガンでは塗料の塗り残しがありますが、GM1030Gでは塗り残しがなく、キレイに塗装できていることがわかります。
仮にA社のエアスプレーガンで、GM1030Gと同様の仕上がりにするためには、塗料を約2倍消費して、塗装時間を長くしなければなりません。
このように塗着効率を上げることは、生産性の向上に直結します。
塗着効率の向上は作業面・環境面で大切
塗着効率を上げられれば、作業時間が短くなり、生産性の向上が可能です。
また塗料の消費量が減るため、環境負荷が下がり、産業廃棄物の処理量も少なくなるため、環境面からも塗着効率の向上は欠かせません。
もし塗装現場での塗着効率を上げたいのであれば、ミドリ商会までお気軽にお問い合わせください。
現状をヒアリングさせていただき、高効率のエアスプレーガンへの変更や静電塗装機の導入など、最適な方法をご提案いたします。
