塗料を正しく希釈しないとどうなる?希釈方法や希釈液の選び方を解説
「塗料が溶ければ希釈液は何を使っても大丈夫。」と考えていませんか?
半分は正解ですが、もう半分は間違いです。
塗料は正しく希釈しないと、思わぬ不具合につながる可能性があります。
塗料の希釈方法や正しい希釈液の選び方について、本記事で分かりやすく解説しますので、希釈液でお悩みの方は必見です。
目次
塗料を希釈する理由
塗料を希釈する理由は、主に2つあります。
1つ目は塗料の粘度を下げることによって塗料を塗りやすくする「作業性の向上」です。
希釈して塗料の粘度を調節することで、刷毛やスプレーで塗装する際に、格段に塗りやすくなります。
2つ目は「仕上がり外観を整えるため」です。
塗料は乾燥性で仕上がり外観が変わり、ゆっくり乾燥させる方がキレイに仕上がります。
乾燥時間を調整することで、仕上がり外観を整えることが可能です。
希釈液とは?
塗料の希釈液は、別名「薄め液」や「シンナー」と呼ばれています。
ちなみにシンナーは英語で「thinner」と書きます。thinは薄めるという意味です。
塗料の希釈液には強溶剤と弱溶剤があります。
一般的に強溶剤の方が揮発性が高いため、塗料の乾燥が速いことが特徴です。
経済的なことを考えると、塗料の乾燥は速いほど良いと思う人もいるかもしれません。
しかし、塗料はゆっくり乾燥させた方が塗膜がキレイになることが一般的です。
希釈液を選ぶ際は、塗膜の仕上がりと乾燥の速さのバランスを考えることが大切だといえます。
塗料の希釈方法
希釈と聞くと難しいと思う人がいるかもしれませんが、方法はとてもシンプルです。
実際に塗料を希釈する方法を確認していきましょう。
塗料と希釈液を混ぜる
塗料に決められた量の希釈液を入れて混ぜれば、希釈できます。
希釈する塗料がシルバー系の場合は、アルミを含んでおり塗料が沈澱しやすいので、よく攪拌しましょう。
注意しなければいけないポイントは、刷毛塗りとスプレー塗りで希釈率が違うことです。
例:D社のフタル酸樹脂塗料の場合
- 刷毛塗りの希釈率(重量%)=10~15%
- スプレー塗りの希釈率(重要%)=15~30%
10kgのフタル酸樹脂塗料を刷毛塗りで使う場合は、1〜1.5kgの希釈液を使います。
スプレー塗りの方が粘度を低くする必要があるため、希釈率が高くなることが一般的です。
季節によって希釈率を変える
前述したとおり、塗料の希釈率は10〜15%といったように幅があります。
希釈率の幅があるのは、気温や湿度によって塗料自体の粘性が変化するからです。
塗料の種類によっては、夏場と冬場で希釈液を使い分けないと、塗膜がキレイに仕上がりません。
塗膜の仕上がり外観に影響する希釈液は、季節によって使い分けるのがベストです。
希釈液の使い方をどうすればいいのか分からない方は、ミドリ商会までお問い合わせください。
粘度カップで粘度を確認する
実際に塗料を希釈した後は、粘度カップで粘度を確認することをおすすめします。
粘度カップを使った確認方法は以下のとおりです。
- 粘度カップを希釈した塗料の中に入れて、塗料から上げる。
- 塗料が粘度カップ底の穴から滴下する時間を測定する。
- 測定した時間から塗料粘度を確認する。
このように簡単に塗料の粘度を測定することができます。
特にロボットで塗装する場合は、必ず粘度カップで粘度の確認をしてください。
塗料が適切な粘度になっていないと、塗装やロボットに不具合が起こる可能性があります。
希釈液の選び方
希釈液には多くの種類があり、どの種類を選べば良いか分からないと言う人も多いでしょう。
希釈液の選び方を、塗料のプロフェッショナルであるミドリ商会が解説します。
塗料に合った専用希釈液を使うのがベスト
結論から言うと、ウレタン塗料ならウレタンシンナー、フタル酸樹脂塗料ならフタル酸シンナーといったように、塗料専用の希釈液を使えば、間違いありません。
ただ塗料に合わせて希釈液を変えるのは手間がかかって大変です。
次項で専用の希釈液を使わないで済む方法を確認していきましょう。
塗料に使われている溶剤を確認しよう
専用の希釈液は高額の場合が多く、手元に専用の希釈液がないというユーザー様も多いのが実情です。
そんな時は、希釈する塗料の成分に注目してみてください。
塗料は顔料、樹脂、添加剤、溶剤で構成されています。
塗料に既に含まれている溶剤より、溶解力が高い希釈液であれば、塗料を希釈できると考えてもらってOKです。
「溶剤の名前を見ても溶解力が高いかどうかが分からない!」という人も多いでしょう。
その場合は、ぜひお気軽にミドリ商会までご連絡ください。
塗料のSDSを見て、適切な希釈液をご提案します。
塗料を正しく希釈しないとどうなる?
塗料は希釈をして使うことが基本です。
希釈液は万能ではなく、選び方を間違えると、さまざまな不具合が起こる可能性があります。
正しく希釈ができていないことで起こる不具合を確認しておきましょう。
塗料の性能が発揮されない
希釈液の選び方を間違うと、塗料に含まれる成分が壊れてしまい、性能が発揮できない可能性があります。
- 下塗り塗料:錆止め効果が損なわれる
- 上塗り塗料:耐候性、美観が損なわれる
- ウレタン系:紫外線のダメージを受けて、早期にチョーキングを起こす
これらの不具合は塗装した直後は分からなくても、数ヶ月後や数年後に不具合となる場合もあるでしょう。
特に溶解力が高い強溶剤の希釈液を使う場合は、注意が必要です。
ちぢみなどの不具合が発生する
すでにある旧塗膜に含まれる溶剤が弱溶剤で、その上から強溶剤で希釈した塗料を塗ると「ちぢみ」という不具合が起こる可能性もあります。
ちぢみは古い塗膜や下塗り塗料が、上塗り塗料に含まれる希釈液によって侵される現象です。
その名の通り、塗料がちぢんで見えます。
ちぢみについては以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。
■関連記事:塗装のちぢみとは?ちぢみの現象について詳しく解説
まとめ
塗料の希釈には専用の希釈液を使うことが理想ですが、極論「塗料を溶かせれば良い」ので、神経質になる必要はありません。
「希釈液が余っているけど、塗料に使えるか分からない」という人は、ミドリ商会までお問い合わせください。
情報をヒアリングして、塗料の希釈ができるかどうか、アドバイスさせて頂きます。
また乾燥を速くしたい、ゆっくりしてキレイに仕上げたいなど、ユーザー様のニーズに合わせてのご提案も可能です。
ぜひ下記よりお気軽にお問い合わせください。