化学物質の有害性の確認はラベルとSDSをチェック!詳しい見方を解説

「塗料って体に悪いって聞くけれど、どこを確認すればいいの?」と疑問に感じたことはありませんか?
塗料やシンナーにはさまざまな化学物質が含まれており、取り扱い方法を誤ると火災や健康被害につながる可能性があります。
こうした危険性や有害性に関する情報を確認できるのが、製品のラベルやSDS(安全データシート)です。
特に現場作業者にとって重要なのが、製品容器に表示されているラベルです。
ラベルには、その製品を安全に使用するために必要な情報が分かりやすく表示されています。
本記事では、塗料やシンナーを安全に取り扱うために知っておきたいラベルの見方を、わかりやすく解説しています。
目次
なぜ塗料のラベル・SDSを確認する必要があるのか
塗料やシンナーは製造業のさまざまな現場で使用されており、含まれる化学物質によっては適切な取り扱いが求められます。
例えば、引火性の高いシンナーを火気の近くで使用すると火災や爆発につながるおそれがあります。
換気が不十分な場所で有機溶剤を使用した場合、めまいや頭痛などの健康障害を引き起こす可能性も否定できません。
目や皮膚への付着によって炎症や損傷が発生することもあります。
こうした事故や健康被害を防ぐために大切なのが、製品に表示されているラベルやSDSの内容を事前に確認して、取り扱い方法を理解することです。
近年は法改正により、事業者が主体となって化学物質のリスクを評価・管理する「化学物質の自律的管理」へ移行しています。
その中で求められているのがリスクアセスメントの実施であり、使用する化学物質の危険性や有害性を把握し、適切な保護具や換気設備を選定することが重要です。
ラベルとSDSは、リスクアセスメントの基本情報となる重要な資料となります。
まず確認したいのは製品ラベル|現場作業者が見るべきポイント
現場で塗料やシンナーを扱う作業者にとって、最も身近な情報源が製品ラベルです。
SDSは事務所や管理部門で保管されることも多いですが、ラベルは製品容器に直接表示されているため、使用前にすぐ確認できます。
- ラベルに記載されている主な情報
- 危険性と有害性の違い
- 作業前に最低限確認したい項目
それぞれを掘り下げて確認していきましょう。
ラベルに記載されている主な情報
塗料など化学物質のラベルには主に以下のような情報が記載されています。
- 製品名
- GHS絵表示
- 注意喚起語(危険・警告)
- 危険有害性情報
- 注意書き
- 製造者情報
これらの情報を見ることで、その製品にどのような危険性や有害性があるのかを短時間で把握可能です。
危険性と有害性の違い
ラベルを見る際に理解しておきたいのが、危険性と有害性の違いです。
危険性とは、火災や爆発など事故につながる性質であり、引火性液体や爆発性物質などが該当します。
一方、有害性とは人体への悪影響のことであり、吸入による健康障害、皮膚刺激、眼損傷、発がん性などが代表例です。
塗料やシンナーを扱う現場では、「燃えたり爆発したりするかどうか」だけでなく、「人体にどのような影響があるか」を理解することが重要です。
GHSラベルの見方|絵表示から危険・有害性を読み取る
GHSマーク | 意味 | 塗料・シンナーでの例 |
炎 | 引火性 | シンナー、ラッカー塗料 |
感嘆符 | 皮膚刺激・眠気 | 有機溶剤系塗料 |
健康有害性 | 発がん性・臓器障害 | 一部の溶剤成分 |
腐食 | 皮膚・眼損傷 | 一部の硬化剤等 |
ラベルの中でも特に重要なのがGHSラベルです。
GHSとは、化学品の分類および表示に関する世界調和システムのことであり、化学物質の危険有害性を世界共通のルールで表示する仕組みです。
言葉が分からなくても、絵表示を見ることで危険性や有害性を把握できます。
上の表にある4つのGHSマークについて、詳しく確認していきましょう。(※それぞれのGHSマークは以下のサイトからの引用しました。)
画像引用:厚生労働省 職場のあんぜんサイト『GHSのシンボルと名称』
炎マーク(引火性)

炎マークは、引火性液体や可燃性ガスなど火災の危険があることを示しています。
シンナーや塗料の中には引火性を持つ製品も多く存在します。
火花や静電気、溶接作業などが着火源となる可能性があるため、火気管理が重要です。
感嘆符マーク(皮膚刺激・眠気など)

感嘆符マークは比較的身近な健康影響を示しています。
代表的な例は、皮膚刺激、眼刺激、アレルギー反応、眠気やめまいなどです。
有機溶剤を含む塗料やシンナーでは、このマークが表示されていることが少なくありません。
換気不足の環境では体調不良につながる可能性があるため注意が必要です。
健康有害性マーク(発がん性・臓器障害など)

胸部に星形のマークが描かれた健康有害性マークは、長期的な健康影響に関わる重要な表示です。
例えば、発がん性のほか、妊娠や出産、胎児の発育に悪影響を及ぼすおそれ(生殖毒性)、吸入によってアレルギー症状や喘息のような症状を引き起こすおそれ(呼吸器感作性)、肝臓や腎臓、神経など特定の臓器に悪影響を及ぼすおそれ(特定標的臓器毒性)がある化学物質に表示されます。
腐食マーク(重篤な皮膚損傷・眼損傷)

腐食マークは、皮膚や眼に深刻な損傷を与える可能性があることを示しています。
このマークがある製品を扱う場合は、保護メガネ、保護手袋などの着用が必須です。
目に入った場合には重篤な障害につながることもあるため、応急処置方法も事前に確認しておく必要があります。
絵表示だけでなく内容も確認することが重要
GHSマークは危険有害性を直感的に理解するために有効ですが、マークだけでは詳細まではわかりません。
例えば同じ感嘆符マークでも、皮膚刺激なのか、眼刺激なのか、眠気やめまいなのかは製品によって異なります。
そのため、絵表示だけで判断せず、危険有害性情報や注意書きも確認することが大切です。
SDS(安全データシート)の見方|管理者が確認すべきポイント
SDS(Safety Data Sheet)は、化学物質の詳細情報をまとめた文書であり、ラベルが概要版だとすれば、SDSは詳細版です。
SDSには16項目の情報が記載されており、管理者や安全衛生担当者がリスクアセスメントを実施する際の大切な資料となります。
特に確認したいのは以下の項目です。
- 第2項:危険有害性の要約
- 第4項:応急措置
- 第7項:取扱い及び保管上の注意
- 第8項:ばく露防止及び保護措置
目に入った場合や吸入した場合などの応急処置方法も記載されています。万が一の事態に備えるためにも、使用前に確認しておくことが大切です。
ラベルとSDSの内容を把握して安全な現場を作ろう
塗料やシンナーを安全に取り扱うためには、まず製品ラベルを確認し、危険性や有害性を把握することが大切です。
特に現場作業者は、GHSマークや注意書きを確認する習慣を身につけることで、事故や健康被害のリスクを低減できます。
化学物質の自律的管理が求められる時代だからこそ、ラベルとSDSを正しく理解し、安全な作業環境づくりにつなげていきましょう。
ミドリ商会は、塗装場の主治医として、健康で安全な現場作りをサポートしています。
もし職場の環境改善でお困りであれば、お気軽にお問い合わせください。
