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塗料ブログ

2024.08.06

【導入事例】労基対応がきっかけで環境配慮型塗料を納入

中部地方で配管業を手がけられているA社様は、高い技術力で配管工事や製缶工事を手がけられています。

A社様にはミドリ商会から環境配慮型塗料を納入させていただきました。

環境配慮型塗料を導入いただくきっかけになったのは、ずばり「労基対応」です。

今回はA社様に環境配慮型塗料を導入いただいた経緯や使用感についてお伺いしました。

 

環境配慮型塗料を導入したきっかけは労基対応

A社様はこれまで製品の塗装にラッカー系の塗料を使用されていましたが、インタビューの半年前に突然検査に訪れた労働基準監督署の監査が塗料を変更するきっかけになりました。

労働基準監督署は職場の労働環境などを確認するために訪れるのですが、A社様では塗装現場の労働環境について有機則、特化則に対する指摘があったそうです。

ラッカー系の塗料は揮発する有機溶剤によって人体に悪影響があるため塗装現場にはさまざまな対策が必要なのですが、その中で揮発した有機溶剤を外部に放出する局所排気装置の導入を検討されました。

しかし局所排気装置の導入にはイニシャルコストの高さがハードルとなり、有機則、特化則にかからない環境配慮型塗料の導入に踏み切られました。

そこでミドリ商会から有機則、特化則に該当しない環境配慮型塗料をご提案したところご採用頂けまして、今回その使用感についてもお話を聞かせていただきました。

 

ラッカー系塗料と環境配慮型塗料の違い

A社様が環境配慮型塗料を実際のお仕事の中で使用された使用感をお聞きしました。

ラッカー系塗料と遜色ない乾燥時間の早さ

環境配慮型塗料は塗装後の乾燥時間について、従来のラッカー系塗料と遜色ない使用感で塗装できたとのことです。

有機則や特化則に該当しない塗料というとまっさきに思いつくのが水性塗料ですが、水性塗料は有害物質の発生がかなり少ないものの塗装時の乾燥時間が長いというデメリットがあります。

水性塗料の溶剤は水ですので揮発性がラッカー系に比べるとかなり弱く、乾燥時間の長さが塗装作業の足を引っ張るものになりがちで、急な仕事には対応しづらいなどの面もあります。

これに対して環境配慮型塗料は有機則、特化則、PRTR法などに該当しない成分の溶剤を使用しており、水性塗料よりもすばやく乾燥させる速乾性も特徴になっています。

A社様の使用感でも体感で作業時間が長くなるようなことはなかったそうで、ラッカー系塗料から置き換えても十分効率的な作業時間で塗装を実施できたようです。

作業環境の改善ができた

A社さまが環境配慮型塗料に切り替えたことでもう一つメリットを感じられた点に、作業環境の改善があるそうです。

これまでA社様で使用されていたラッカー系の塗料は塗装時に有害物質が発生するため、有機則や特化則に該当する塗料の場合作業員に安全対策を徹底させなければなりません。

労働基準監督署も安全対策についての監査を行っているのですが、塗料自体を環境配慮型塗料に変更すればそもそもの発生原因をなくせますので、安全な作業環境をもたらすことが出来ます。

A社様では以前から塗装現場の安全意識の低さについて悩んでおられたようで、環境配慮型塗料に切り替えるだけで環境改善が出来た点を評価されています。

この点についてはインタビューで詳しくお話を聞けましたのでご紹介します。

 

環境配慮型塗料の導入で作業者の健康面にも配慮

A社様では労働基準監督署の提言によって環境配慮型塗料に切り替えられた経緯がありますが、環境配慮型塗料の導入によって人体への悪影響を減らす対策にもつながっています。

ラッカー系塗料など有機溶剤系塗料は塗装時に有機溶剤が揮発しますが揮発した有機溶剤は人体には有害であり、塗装作業の際には防毒マスクや保護メガネなど安全装備の着用が必須です。

塗装現場の作業主任者には作業員に対する安全装備の着用を徹底させる義務があり、またインタビュー冒頭で出てきた局所排気装置などを設置することで有害物質の発散対策も行う必要があります。

さらに作業主任者は作業員に対する特殊健康診断の実施や作業環境測定を行う義務もあり、記録を最長30年保管する必要があるなど労働環境を厳しく監督しなければなりません。

A社様では作業員に対する指導や教育を行っておられ、塗装作業時の安全装備の着用も徹底するよう指導されているのですが、作業員の中には有機溶剤の危険性をおそろかにしてしまう例があったそうです。

特に海外から来ている外国人実習生はそういった意識が低く、言語の壁などもあって安全装備の着用をしないまま塗装作業をしてしまうなど、指導しても守られないことが課題となっているようです。

今回導入された環境配慮型塗料も塗装時には安全装備の着用は必須ですが、有機則、特化則、PRTR法に非該当となるまで有害物質が減少していますので、人体への悪影響を低減する対策としても有効です。

【A社さまからのご要望】

A社様には労基対応がきっかけで環境配慮型塗料を導入いただきました。

ラッカー系塗料から環境配慮型塗料に切り替えることで、結果としてコストアップにはなりましたが、その分環境や人に配慮した現場作りが進んだと考えております。

有機溶剤は健康被害を引き起こす可能性がありますが、その危険性を知らずに作業されている方が多くいらっしゃるのが現状です。

ミドリ商会では今後も環境や人に配慮した製品を提案していきたいと思います。

今回、A社様からは環境配慮型塗料の改善点についてもお話を伺いました。

お客様の声を塗料メーカーに届けるのも私たちの仕事ですので、少しずつでも改善できるように努力していきたいと思います。

A社様、この度は誠にありがとうございました。

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