寒さで憂鬱になることもなく、新年が近いのでちょっと気分がワクワクしています!
さて、弊社が取り扱う工業用塗料について皆様にもっと知っていただきたく、
塗料の基本的なことも交え、お話ししていきたいと思います。
今回は、工業用の錆止め塗料についてです。
ー 工業用の錆止めの塗料は市販の塗料はどう違う?
まずは、市販で手軽に手に入る塗料と、弊社で取り扱う工業用塗料の違いを説明します。
【市販の塗料】
市販で購入できる塗料は主にDIYのための塗料が揃っているイメージですが、
DIYと言えば、家庭のテーブルやイスであったり、犬の小屋など木工する人が多いと思います。
そのため、ホームセンターには木工用塗料のラインナップが豊富です。
もちろんホームセンターによっては鉄用の塗料も置いていることもありますが、500gや1kgなど容量が少なく、あくまでも”家庭用”ということになります。
そして市販の塗料には、水性塗料と溶剤型塗料と2種類がありますが、水性塗料のほうが断然たくさん置いてあります。
なぜかと言いますと、水性塗料は水で希釈するだけですが、溶剤型塗料は溶剤を入れて希釈するため溶剤もあわせて購入しないといけないので、水性塗料のほうが手間がかからないというメリットがあります。そして、水性塗料のほうが有害物質が含まれていないという点もあり、取り扱いやすい水性塗料のほうがより選ばれるためです。
溶剤が多く含まれているほうが、塗料としての性能(素地に対する密着力や紫外線等に対する耐久性等)は高くなりますが、、
家庭のDIYではそこまでの性能を必要としてないということもあると思います。
ちなみに水溶性塗料というのもあって、それは溶剤が含まれていますが水で希釈が可能です。
【工業用塗料】
塗料を使用用途で大きく分けると、工業用、車両用、船舶用、建築用があります。
弊社が取り扱っているのは、その中の工業用塗料です。
工業用塗料が塗られる素地は基本的に鉄であり、機械、産業用設備などです。
船舶用や建築用も一部鉄に塗ることもありますが、工業用は主に鉄用の塗料だと思ってください。
鉄は酸素に反応すると絶対に錆びてきます。それは建物の中でも外でも一緒です。
鉄の塗料には下塗り塗料があり、基本的には下塗り → 中塗り → 上塗り、というように重ねて塗っていきます。
下塗り塗料には防錆顔料が含まれており、錆止めの機能を果たす役割を担っています。
塗料は、溶剤・添加剤・顔料・樹脂で組成されており、溶剤が全体の約30〜40%、添加剤が数%、残りが顔料と樹脂です。
錆止めの塗料の場合は、この中の顔料が防錆顔料になっています。
上塗りの塗料にも錆止め顔料が入っていることがありますが、基本的に上塗りは美観・耐候性のためのものなので、しっかり錆止めをしたいという時は錆止めの下塗り塗料を使用していただきたいです。
ー 鉄の錆止め塗料を選ぶコツは?
塗料は、溶剤・添加剤・顔料・樹脂で組成されていますが、この中の樹脂に注目していただきたいです。
アルキッド樹脂、合成樹脂など製品によって様々な樹脂が使用されていますが、エポキシ樹脂を採用している製品を弊社ではオススメしています。
エポキシ樹脂は、密着力と防錆力が高いという点が特徴であり、エポキシ樹脂の濃度が100%に近いものほど良いとされています。
エポキシ樹脂のデメリットは、耐候性が低い(紫外線、暴露に弱い)という点なので、それをフォローするために上塗り塗料を重ねて塗ることをオススメします。
逆に上塗り塗料だけでは密着力と防錆力が弱いため、下塗り+上塗りをすることが大事です。
ー 上手な錆止め塗料の塗り方
塗料を丁寧に塗ることよりも、力を入れてほしいことがあります。
それは塗料を塗る前に行う、素地調整(ケレン)という作業です。
全体にかける力が100%だとしたら、90%はこの素地調整にかけてほしいところです!(笑)
例えば、塗料を塗る対象である鉄に埃や油がついている場合、どんなに良い下塗り塗料を塗っても密着が悪くなります。
逆に、表面がつるつるしていても密着は悪くなるので、鉄の表面を研磨紙で削る(荒らす)必要があります。
そして削れた粉をしっかり取った後、シンナーで脱脂します。
鉄についた油は水では取れないため、この油を溶かすための作業です。
この研磨紙で荒らす→シンナーで脱脂する、という素地調整が1つ目のポイントです。
2つ目のポイントは、下塗り塗料の塗り方です。
普通はローラーやハケで塗っていることが多いですが、下塗り塗料は上塗り塗料より乾燥が速いため、塗っている途中に塗料が乾燥してローラーやハケが止まってしまうことがあります。
弊社のオススメはスプレーガンで塗る方法です。手早く塗れる上に、手間も少なく済みます。
以上、今回は工業用の錆止め塗料についてお話ししました。