健康塗料とは?導入するメリットや置き換え可能な業種を解説
「塗料が健康に悪いことは知っているが、どうすればいいのかわからない…。」とお困りではありませんか?
ミドリ商会では、有機則や特化則に該当しない「健康塗料」の普及を進めています。
本記事では、健康塗料の定義や導入するメリット・デメリット、ミドリ商会が描く未来について解説しています。
労働者と地球の健康を優先して考えたい方は必見です。
目次
健康塗料とは?
健康塗料とは、ミドリ商会が考えた造語であり、「従来の第1種有機溶剤および第2種有機溶剤を含む塗料以外のもの」と定義しています。
有機則・特化則に該当しない塗料であり、水性塗料やエチルベンゼンフリーの塗料が代表例です。
製造業では、大量生産やコスト優先の考え方により、労働者や環境に悪影響を及ぼす従来の塗料やシンナーがまだまだ主流となっています。
しかし、今後も企業が持続的に発展していくためには、労働者の健康や環境問題の無視はできません。
ミドリ商会では、健康塗料を製造業に普及させるために、有機溶剤の有害性などの情報発信を積極的に行い、業界全体のリテラシー向上やSDGsの達成に向けた取り組みを加速させています。
なおミドリ商会では、健康塗料に加えて、部品洗浄用の健康シンナーの普及にも力を入れていく所存です。
健康塗料や健康シンナーは、労働安全衛生法の特別則だけではなく、消防法にも非該当のものも多く、企業の管理コスト削減にも貢献します。
ミドリ商会で取り扱う代表的な健康塗料と健康シンナーは、以下の商品ページをご覧ください。
商品ページ:健康塗料一覧
商品ページ:ジクロロメタン代替洗浄剤『レイズファインK300』
健康塗料を導入する最大のメリットは「作業者の健康」
健康塗料は、有機則や特化則に該当する有機溶剤を使用しておらず、作業者の健康に優しい塗料です。
導入することで多くのメリットがありますが、「作業者の健康」を守れる点が最大のメリットとなります。
従来の塗料に含まれる有機溶剤は、長期間のばく露により、作業者の健康を害する恐れがある化学物質です。
化学物質による健康被害のリスクを減らすためには、リスクが低い塗料やシンナーに置き換えることが第一選択肢となります。
作業者の健康を守るための良い職場環境を作り出すことが、事業者の責任です。
健康塗料を導入することで、作業者が長く安心して働けるようになり、持続可能な企業活動の後押しとなります。
健康塗料を導入するデメリット
一方で健康塗料の普及が進まない理由には、以下の2つがあります。
- 乾燥が遅く、作業性が悪い
- 従来の塗料より価格が高い
エンドユーザーから質と量を要求されるメーカー様にとって、上記2つの理由は大きな課題です。
塗料メーカーの努力により、健康塗料の商品力が上がっており、乾燥速度が速い製品も登場していますが、それでも従来の塗料と比較すると、分が悪いと言わざるを得ません。
しかし、作業性の健康を守り、持続可能な企業活動を進めていくためには、どこかのタイミングで健康塗料に切り替えていくことが必要です。
ミドリ商会としては、生産性が最重要とされる業界の風潮を少しでも変えていくために、情報発信を続けてまいります。
健康塗料を導入することで不要になること
従来の第1種有機溶剤、第2種有機溶剤を含む塗料で必要となる以下の項目は、健康塗料を導入することで不要となります。
- 塗装ブースの設置、点検
- 作業環境測定の実施
- 特殊健康診断の実施
- 有機溶剤作業主任者、特化則作業主任者の選任
それぞれを掘り下げて確認していきましょう。
塗装ブースの設置、点検
第1種有機溶剤、第2種有機溶剤を屋内で扱う作業場では、塗装ブースと呼ばれる局所排気装置の設置が義務付けられています。
設置する際は、労働基準監督署への届出が必要となるほか、導入後は1年に1回の定期点検と3年間の記録保存が義務です。
健康塗料は、有機則と特化則に該当する有機溶剤を含んでいないため、塗装ブースの設置義務が無くなります。
塗装ブースの設置における、高額のイニシャルコストや維持するためのランニングコストが不要となるのは、大きなメリットです。
塗装ブースの自主点検については、以下の記事でも解説していますので、合わせてご覧ください。
参考記事:局所排気装置の定期自主検査は義務!点検項目と怠った場合のリスクを解説
作業者環境測定の実施
塗装ブースの設置と同じく、有機則・特化則に該当する有機溶剤を屋内で取り扱う事業者では、6ヶ月以内ごとに1回作業環境測定の実施が義務です。
もし違反した場合は、最悪6ヶ月以下の懲役、または50万円以下の罰金が課される可能性もあります。
健康塗料を導入することで、作業環境測定の実施義務がなくなるため、測定費用や外部委託の手間を削減可能です。
作業環境測定の義務については、以下の記事で詳細を解説しています。
参考記事:作業環境測定は義務!正しく実施しないことによるリスクを解説します
特殊健康診断の実施
有機則に該当する有機溶剤を含む塗料を使用する場合、特殊健康診断の実施も義務の1つです。
定期的な診断は労務管理の手間や費用が発生し、作業者にとっても心理的な負担となります。
健康塗料を導入すれば、特殊健康診断を実施する必要がなくなるため、健康リスクと作業者の心理的負担の双方を軽減可能です。
有機溶剤作業主任者、特化則作業主任者の選任
有機則や特化則に該当する塗料を使用する場合、法令により有機溶剤作業主任者や特化則作業主任者を選任し、適切に管理監督することが義務付けられています。
選任には資格取得や教育が必要で、人材確保や運用の負担があるのが実態です。
健康塗料を導入すれば、これらの主任者を置く必要がなくなります。
資格取得や教育コストを削減できるのは、大きなメリットです。
健康塗料に置き換えできる業種
塗料は金属加工業を中心に幅広く使用されています。
従来の塗料から、健康塗料及び健康シンナーに置き換えできる代表的な業種は以下のとおりです。
- 金属製品製造業
- 木材・家具
- 輸送用機械
- プラスチック製品
- 汎用機械
- 生産用機械
- 印刷業
- 電子部品・半導体
上から置き換えできる可能性が高い順に並べました。
もしあなたの企業が上記の業種に当てはまり、まだ従来の塗料やシンナーを使用しているのであれば、これを機に健康塗料の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
ミドリ商会が描く健康塗料の普及について
健康塗料は、2025年現在まだまだ普及しているとは言い難い状況です。
ミドリ商会のお客様でも健康塗料を導入している企業は約5%にとどまっています。
まずは健康塗料の導入率を2030年までに50%以上にすることを目標として、今後も情報発信をはじめとした啓蒙活動を進めてまいります。
さらにその先の2050年に、労働者と地球の健康に配慮している工場が当たり前となることを目指して、今後も地道に健康塗料の普及に努めていく所存です。
今後ともよろしくお願いいたします。
