化学物質のリスクを知ろう!3つの「なかった」を無くす労働者教育が大切
「化学物質による労働災害が起こったらどうしよう…。」と不安に思うことはありませんか?
有機溶剤などの化学物質による災害は、職場の見回りや労働者への教育で未然に防ぐことが可能です。
本記事では『化学物質管理者講習テキスト』の第8章に基づき、化学物質による労働災害を未然に防ぐ職場の見回りや労働者への教育についてわかりやすく解説しています。
職場の見回りは化学物質管理の第一歩
化学物質管理は作業場にどのような危険・有害な化学物質があるか把握することから始まります。
その第一歩となるのが職場の見回りです。
作業場に入った瞬間に有機溶剤の臭いを感じるなど、五感を働かせて感じることはとても有効な方法といえます。
床面のすべりでは粉じんを感じられますし、目の刺激や異音の発生でも職場の異常を感じることが可能です。
化学物質を扱う職場ではラベルやSDSを常に確認できる状態にしておくとよいでしょう。
ラベルやSDSには化学物質の有害性の他に、応急措置の方法についても記載があります。
職場の見回り時にはラベルやSDSが確認できる状態にあるかどうか確認することが大切です。
職場の見回りをする際は、労働者に臭気や健康面についてヒアリングも実施しましょう。
化学物質のばく露状況を確認して、必要であれば使用する化学物質の変更や設備の増強を検討することが大切です。
見回り完了時には記録を残しておきましょう。
定期的に見回りを行い、記録を残しておくことで、職場の変化点に気付きやすくなり、労働者の安全確保につながります。
労働者教育は3つの「なかった」に基づいて実施しよう
化学物質による労働災害は以下3つの「なかった」が原因で発生します。
それぞれで実施すべき労働者教育が異なるので覚えておきましょう。
- しらなかった:知識教育を行う
- できなかった:技能教育(訓練)を行う
- やらなかった:態度教育を行う
化学物質の有害性は直感では認識しにくいので、「しらなかった」を無くすために正しい知識をわかりやすく言葉で伝える知識教育が何よりも大切です。
有機溶剤であれば揮発性が高く、引火性があるなどの基礎知識の教育はもちろんのこと、SDSやラベルの記載事項についても教育を行いましょう。
特にラベルは直感的に有害性を把握しやすいため、重点的に労働者に伝えることが大切です。
「できなかった」を無くすためには、作業手順書をしっかりと整えておくことが最も大切です。
化学物質を取り扱う際は、口頭で作業方法を教えるだけでは不十分であり、写真や動画を交えてのマニュアル整備を行いましょう。
近年は多くの職場で外国人労働者が増えているため、本当に理解できているか入念に確認することが大切です。
万が一に備えて災害時応急対策も頭に入れておく
職場の見回りを行い、労働者への教育を行ったとしても、化学物質による災害発生をゼロにすることは難しく、万が一に備えて災害時の応急対策を頭に入れておく必要があります。
応急対策が必要となるのは、飲み込みや吸い込みによって体内に侵入したり、皮膚や粘膜に付着した場合です。
医療機関を受診する際に、必ず化学物質のSDSを提示しましょう。
- 化学物質名
- 危険有害性の要約
- 応急措置方法
- 有害性情報
上記の情報を早急に伝えることで、健康被害を最小限に食い止められます。
また化学物質による症状は受傷直後に起きるとは限らず、ばく露した数時間後から時には数日後に発症することも頭に入れておくことが大切です。
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