環境配慮型塗料とは? ーエチルベンゼンー
前回のブログでは、
特定化学物質 = エチルベンゼン
環境配慮型塗料とは、エチルベンゼンの含有量が1%以下の塗料である!
と覚えて下さい!とお伝えしました。
(※あくまで覚えやすくするための簡略化したイメージであり、厳密には、特定化学物質は他にも多数あります。)
今回のテーマはこの、
「エチルベンゼン」
について。
以下、中央労働災害防止協会発行「有機溶剤作業主任者テキスト」より抜粋。
<概略>
・エチルベンゼンは塗料等の溶剤のキシレンに不純物として多く含まれる。
・エチルベンゼンを含む塗料等を使用する塗装作業場を通気不十分な屋内等で行うと、特に高い濃度にばく露される危険があるので、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから、特定化学物質作業主任者を専任しなければならない。
<人体への有害性>
・皮膚や粘膜に接触すると刺激を与える。
・吸入により起動の炎症を起こし、目に入ると結膜炎を起こす。
・高濃度を吸入すると中枢神経に作用し、意識消失する。
・国際がん研究機関において、ヒトに対して発がん性を示す可能性があると評価されている。
<作業環境管理>
・屋内作業場では発散源を密閉化する設備、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設置する。
<作業管理>
・屋内作業場では送気マスクまたは有機ガス用防毒マスクを着用する。
<健康管理>
・雇入れまたは配置替えの際、及びその後6ヶ月以内ごとに一回、定期的にエチルベンゼンの特殊健康診断を実施する。(個人表は30年間保存する)
<事例>
マンション新築工事に関連して、1階床下の配管用ピットで錆止めの塗装作業をしていた下請会社の作業者2名と元請けの現場監督者が、
有機溶剤中毒となった。
作業方法は、キシレン20%程度を含有する塗料を、キシレン60%程度を含有するシンナーで希釈し、刷毛で塗っていくものであったが、防毒マスクなどの呼吸用保護具や換気装置は全くない状態で行われた。
いかがでしょうか。
少し難しい表現が多いですが、エチルベンゼンがいかに有害な物質かを知っていただければ幸いです。
<関連記事>
・シンナー1缶〜配合します
・環境配慮型って何?
・環境配慮型塗料のモニター企業様を募集しています。
・溶剤型塗料が無くならないワケ
・環境配慮型塗料のモニター様第一号決定!
・環境配慮型塗料とは? ー特定化学物質障害予防規則ー