局所排気装置とプッシュプル型換気装置の違いについて
「労基の立ち入り監査があり、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を入れるように指摘されてしまった…。」とお困りではありませんか?
有機則や特化則に該当する有機溶剤を含む塗料などを使う屋内の現場では、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設置することが義務付けられています。
労基から是正勧告があった場合、どちらの設備を入れたらよいかわからないという人も多いでしょう。
本記事では局所排気装置とプッシュプル型換気装置の違いについて、わかりやすく解説しています。労基対応にお困りの方は必見です。
目次
局所排気装置とプッシュプル型換気装置の違い
局所排気装置とプッシュプル型換気装置では、主に以下の項目に違いがあります。
- 空気の流れ
- 労基対応の性能要件(制御風速)
- イニシャルコスト
それぞれを詳しく確認していきましょう。
空気の流れ
局所排気装置とプッシュプル型換気装置は、どちらも有機溶剤などの有害物質を屋内から排出するために使用します。
異なるのは空気の流れで、それぞれ以下のように考えるとわかりやすいでしょう。
- 局所排気装置:排気のみ
- プッシュプル型換気装置:給気+排気
屋内の空気を吸い込んで排気する局所排気装置よりも、空気を送り込んだ上で排気するプッシュプル型換気装置の方がより強力です。
それぞれの空気の流れについては、以下の動画の壱(局所排気装置)と弐(プッシュプル型換気装置)を確認すると理解が深まると思います。
労基対応の性能要件(制御風速)
局所排気装置とプッシュプル型換気装置は、有機則や特化則で必要な性能要件が定められており、両者で大きく違うのは、作業点での制御風速です。
有機則 | 特化則 | |
局所排気装置 | 0.4~1.0m/秒 | 0.5~1.0m/秒 |
プッシュプル型換気装置 | 0.2m/秒 |
局所排気装置は囲い式フードや外付け式フードの形状によって制御風速の数値が変わりますが、プッシュプル型換気装置はどの場合でも制御風速の要件は変わりません。
労基対応をするためには、性能要件を満たした設備を入れる必要があります。
どの設備を選べばよいかわからない方は、ミドリ商会までお問い合わせください。
イニシャルコスト
局所排気装置とプッシュプル型換気装置は、イニシャルコストに違いがあり、どちらかといえばプッシュプル型換気装置の方が高額です。
プッシュプル型換気装置は、排気だけではなく給気機能もあるため、温かい空気を送り込むことで、塗装の乾燥促進ができるなどの機能を付加できます。
機能がシンプルな局所排気装置と比較すれば、当然イニシャルコストが高くなるといえるでしょう。
局所排気装置の種類
画像引用:厚生労働省「ナフタレンとリフラクトリーセラミックファイバーについて健康障害防止措置が義務づけられます」
局所排気装置は大きく分けて、「囲い式」と「外付け式」の2種類に分けられます。
上の画像のとおり、囲い式は有機溶剤などの発散源を囲い込んで排気する方式で、外付け式は発散源がフードに囲まれていない方式です。
囲い式の局所排気装置の方が外部の影響を受けにくく、小さい排気量で効果が得られやすいといえるでしょう。
プッシュプル型換気装置の種類
プッシュプル型換気装置も大きく分けて「開放式」と「密閉式」の2種類があります。
開放式は給気部から排気部まで囲いがなく、密閉式は囲いがあるタイプです。
密閉式は設備が大がかりとなりますが、開放式と比べて外部の影響を受けないため、有機溶剤などの物質をしっかりと排気できます。
局所排気装置の導入事例
フタル酸樹脂塗料で塗装を行っていたA社は、労基からの指摘を受けたことがきっかけで外付け式の局所排気装置を導入しました。
ミドリ商会からは湿式塗装ブースと乾式ブースの2種類を提案し、最終的には導入するイニシャルコストから乾式ブースを選ばれた事例です。
労基対応についてもミドリ商会でサポートして、フタル酸樹脂塗料による発火リスクの低減や作業者の健康確保につながりました。
最初は局所排気装置の方が導入しやすい
局所排気装置とプッシュプル型換気装置は、どちらも有機溶剤などの有害物質を屋外に排出するための装置です。
有機則や特化則で設置が義務付けられており、対応していない場合は労基の立ち入り監査時に指摘される恐れもあります。
初めて塗装ブースを導入する場合は、局所排気装置の方が安価で労基対応ができるため、導入しやすいといえます。
塗装品質の工場や乾燥促進が目的であればプッシュプル型換気装置の方が多機能でおすすめです。
ミドリ商会では局所排気装置とプッシュプル型換気装置のどちらも提案できます。気になる方はぜひ一度お気軽にお問い合わせください。