塗料に使用期限はある?古くなった塗料の見極めや処分方法を解説
「3年前に購入した未開封の塗料が倉庫から出てきたけど、使えるの?」と疑問をお持ちの人も多いのではないでしょうか?
実は塗料には明確な使用期限が設けられていません。それ故に、古くなった塗料を使えるかどうか判断するのはユーザー様ご自身です。
本記事では塗料の使用期限や古くなった塗料の見極め方について紹介します。
古くなった塗料の適切な処分方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
塗料の使用期限について
冒頭で塗料には明確な使用期限が設けられていないと紹介しました。
実際に塗料の使用期限はどのように説明されているのか確認していきましょう。
塗料メーカーは使用期限を明確にしていない
原則として塗料メーカーは塗料の使用期限を明確にしていません。
一般的には「未開封の状態で生産された日から1年以内」に使用することとされていますが、保証期限ではありません。
また一度開封した塗料は、著しく劣化が進んでいきます。
一液型塗料、二液型塗料で劣化の速度は異なりますが、どちらも長持ちはしないと考えておきましょう。
機能性塗料は特に使用期限が短い
塗料の中には美観や素材の保護以外にも機能を持っている機能性塗料があります。
耐熱性塗料やサビ止め塗料、抗菌・抗ウイルス塗料などが一例です。
機能性塗料は品質が劣化することにより、塗装した際に機能を発揮できなくなる恐れがあるため、一般的な塗料よりも使用期限が短くなる傾向にあります。
機能性塗料を使う際は、十分に注意しましょう。
古くなった塗料の見極め方
塗料は使用期限が明確に定められていないため、古くなっているかどうかを見極めることが大切です。古くなった塗料の見極め方を確認していきましょう。
塗料がゲル化している
塗料は塗膜になる樹脂・顔料・添加剤と、それらを溶かす働きをする溶剤からできています。
古くなった塗料は溶剤が揮発してしまっていることが多いです。
この場合、開封時ドロドロした状態にゲル化している場合が多く、塗料の見た目で古くなっていると判断することができます。
攪拌できない状態となっている
ゲル化した状態であっても、攪拌できる状態であれば、まだ使える可能性はあるでしょう。
しかし、攪拌しようとしても固くて攪拌ができない、何とか攪拌できても塗料が分離したままという状態であれば、使用することは諦めた方が賢明です。
塗料を長持ちさせる工夫
塗料を購入してから使用するまでに時間があるというユーザー様も多いかもしれません。
少しでも塗料を長持ちするための工夫を確認しましょう。
塗料の缶を定期的に逆さまにする
先ほども紹介したとおり、塗料は樹脂・顔料・添加剤と溶剤から構成されています。
この中で一番比重が軽いのが溶剤です。
そのため、塗料を放置しておくと表面に溶剤が浮いてきて、色別れしてしまう場合があります。
塗料の缶を定期的に逆さまにしたり、戻したりすることで、塗料を攪拌することが可能です。
塗料の保管期間が長いユーザー様は、ぜひお試しください。
開封した塗料は小分けで保存する
塗料を開封したものの、使用量が少なく全てを使いきれない場合もあるでしょう。
その場合は、塗料を小分けして保管する方法をお試しください。
塗料が空気と触れる表面積を少しでも小さくすることで、塗料の皮張りを抑えることができるようになります。
小分けする缶に塗料をなるべくなみなみに入れて密閉することで、塗料を長持ちさせることができるかもしれません。
使用期限切れの塗料を使うとどうなる?
それでは使用期限が切れた塗料を使ってしまった場合は、どのようになってしまうのでしょうか?不具合の事例を確認しましょう。
不良が発生しやすくなる
古くなった塗料でも攪拌することで一見使えるように見えるかもしれません。
しかし、実際に塗装をしてみると被塗物にブツ不良が発生してしまったり、
ブツがスプレーガンに詰まってしまったりと、さまざまな不良が発生する恐れがあります。
攪拌する際に少しでも違和感があれば、使用を中止するのが賢明です。
塗膜が剥離しやすくなる
古くなった塗料は色目が大丈夫でも、塗膜性能を発揮できなくなっているかもしれません。
「見た目も大丈夫だから塗装できるだろう」と思って、実際に塗装したところ、すぐに塗膜が剥離してしまった事例もあります。
この場合、剥離をして再塗装するだけでも、かなりの工数が発揮します。
塗料以上の多大な費用がかかる場合もあるので、思い切って古くなった塗料は処分してしまいましょう。
古くなった塗料の処分方法
古くなった塗料を使用すると、さまざまな不良を引き起こす可能性があるので、処分が必要です。
古くなった塗料の処分方法について解説します。
必ず産業廃棄物として処分する
古くなった塗料は必ず産業廃棄物として処分する必要があります。
処分の際は、塗料のSDS(製品安全データシート)を確認し、認定を受けた産業廃棄物処理業者に依頼をして、引き取ってもらうようにしましょう。
依頼方法が分からない場合は、ミドリ商会で窓口となれる場合もあるので、お気軽にお問い合わせください。
適切に処分しないと発火する恐れもある
塗料は固まると廃プラスチック扱いとなります。
そのため「一般の家庭ゴミとして使えるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、塗料の中にはフタル酸塗料のように塗膜になる反応時に自己発熱するものもあります。
塗料を拭き取ったウエスを一般ゴミで捨てると発火する恐れもあるので「塗料は必ず産廃として処理する」と覚えておきましょう。
まとめ|塗料は生モノ!なるべく早く使おう
解説してきたとおり、塗料には明確な使用期限が設けられていません。
保管方法が良ければ、購入してから1年を経過していても十分に使える可能性がありますが、基本的に「塗料は生モノ」だと考えておきましょう。
適切な量を購入して、なるべく早く使うということが塗料の鉄則です。
塗料に関する疑問点やお問い合わせは、ミドリ商会まで下記フォームまでご連絡ください。
またLINE公式アカウントでは定期的に塗料に関する情報発信をしていますので、ぜひご覧ください。