亜鉛末塗料はエポキシ系が良い?アクリル系との比較を解説
鉄の錆止めで使用される亜鉛末塗料は大きく分けてエポキシ系とアクリル系の2種類があり、それぞれで特徴が異なります。
本記事では亜鉛末塗料の2種類について簡単に比較を行い、それぞれの特徴をまとめました。 亜鉛末塗料の商品選定でお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
亜鉛末塗料とは?
亜鉛末塗料とは、その名のとおり亜鉛の粉末が塗料の中に含まれており、鉄の錆止めに効果を発揮する塗料のことです。
亜鉛が鉄の錆止めになるのは「金属のイオン化傾向」が大きく関わっており、以下2つの作用があります。
- 犠牲防食:鉄が傷ついて素地が露出しても、亜鉛が先に溶けて鉄が錆びない
- 保護被膜:鉄に亜鉛の酸化皮膜が形成されて錆びにくくなる
詳しくは以下の記事で解説していますので、合わせてご確認ください。
■参考記事:亜鉛末塗料で鉄を錆止め!錆止めの仕組みや使い方の注意点を解説
亜鉛末塗料に含まれる樹脂
亜鉛末塗料は、塗料に含まれる樹脂によって種類が異なります。 樹脂は大きく分けると以下の2種類です。
- エポキシ樹脂
- アクリル樹脂
2つの樹脂は亜鉛末塗料の機能にも影響を与えます。 それぞれの樹脂について、特徴を確認していきましょう。
エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は一般的な塗料にも多く使われており、主に以下の特徴があります。
- 塗膜が硬い
- 密着性が高い
- 耐摩耗性に優れている
このように強い塗膜ができるのが特徴です。
亜鉛末塗料にエポキシ樹脂が含まれる場合も塗膜が強くなるのが特徴だといえるでしょう。
アクリル樹脂
一方のアクリル樹脂も、エポキシ樹脂と同様に多くの塗料に使用されています。
- 乾燥が速い
- 比較的安価
アクリル樹脂が含まれる亜鉛末塗料は、乾燥が速いという点でとても使い勝手が良いといえるでしょう。
エポキシ系とアクリル系の比較
エポキシ系 | アクリル系 | |
密着度 | ◎ | 〇 |
塗膜の硬さ | ◎ | 〇 |
上塗り性 | ◎ | △ |
ミドリ商会ではエポキシ系とアクリル系、どちらの亜鉛末塗料も取り扱っております。
それぞれの代表的な塗料を密着度・塗膜の硬さ・上塗り性の3点で比較してみました。
上の表のとおり、どの項目でもエポキシ系が優れていることがわかります。
特に違いがあるのが上塗り性です。
アクリル系の亜鉛末塗料は「蒸発硬化型」であり、溶剤が蒸発することによって塗膜が硬化します。
硬化した塗膜に上塗りをすると、上塗り塗料に含まれる塗料に含まれる溶剤が悪さをして、うまく上塗りできません。
一方、エポキシ系の亜鉛末塗料は「酸化重合硬化型」であり、樹脂と酸素が結合して硬化するため、上塗り塗料の溶剤に影響されにくいのが特徴です。
複数回に分けて厚塗りしていく必要はありますが、上塗りすることは全く問題ありません。
上塗りするのであればエポキシ系一択!
錆止めが目的の亜鉛末塗料は、鉄と同じ風合いを求められることが多く、上塗りで色を付けないケースもありますが、
もし上塗りするのであればアクリル系では対応できずエポキシ系一択です。
エポキシ系の亜鉛末塗料であれば、鉄との密着性や硬化性が高いだけではなく、上塗り塗装にも問題なく対応できます。
ミドリ商会ではエポキシ系とアクリル系のどちらの亜鉛末塗料でも提案が可能です。
お客様のご要望をヒアリングして、最適な塗料を提案しますので、ぜひ一度お問い合わせください。