ケレンとは?塗装におけるケレンに関する基礎知識
塗装におけるケレンという工程をご存知でしょうか?ケレンという言葉は英語の「clean(クリーン)」を聞き間違った日本人が訛って使い出したという説もあります。塗装における重要工程であるケレンについて確認していきましょう。
そもそもケレンとは?
ケレンとは塗装前の鉄などの素材に対して行なう下地処理のことを指します。ケレンは新品の素材の場合は黒皮を、再生品の素材の場合はさびや死膜を落とす工程です。塗料が塗りやすい様に下地を調整することだと覚えておけばよいでしょう。
ケレンは素地の調整程度によって、1種から4種のいずれかに分類されます。1種はショットブラストなどの機械を使って、黒皮やさびを完全に除去してホワイトメタルにする状態、4種はサンドペーパーなどで粉化物や汚れを除去する状態です。同じケレンでも労力が全く違ってくることが分かります。
ケレンの大まかな手順を確認
ケレンの大まかな手順を確認していきましょう。1種ケレンはさびや死膜を完全に除去するため、ショットブラストやサンドブラストといった大型の設備を使う必要があります。設備がない場合は外注活用が必要です。
2種から4種のケレンは、ディスクサンダーなどの電動工具やブラシなどの手工具を使用します。まずは電動工具を使用し、さびや死膜を落としていき、落ち切らなかった箇所は手工具で落としていくのが手順です。さびや死膜がなかなか落ちないことがあり、とても労力がかかる工程といえます。
ケレンをしないと塗装はどうなる?
ケレンは重労働を要する工程です。塗装の前段階の工程であり、正直あまり重要視されていません。ケレンをしなかった場合、塗装はどうなるのでしょうか?
ケレンをしなかった場合、2~3年後に塗膜が剥離する可能性が高まります。いくら上質な塗料を使用しても、ケレンをしていなければさびなどの侵入を防ぎきることができません。ケレンはとても労力がかかる工程ですが、塗装にとって必要不可欠な工程です。「ケレンを制する者が塗装を制す」と言っても過言ではないでしょう。
<ケレンに関する関連記事はこちら> |