ついに完成!ピーチライナーリペイントプロジェクトへの想いについて
2020年9月5日にスタートしたピーチライナーリペイントプロジェクト。2年7ヶ月にも及ぶ地道な作業により、いよいよ再塗装が完了します。
「サビてしまってかわいそうなピーチライナーを再塗装して、キラキラを取り戻してほしい」と思い、ナガラ様三重工場に飛び込んだ2019年の年末から、これまでの間に本当に多くの人たちと関わりを持つことができました。
今回の記事では、改めてピーチライナーリペイントプロジェクトへの想いを伝えさせていただければと思います。
サビたピーチライナーを蘇らせたいという想いでスタート
ピーチライナーの存在を知ったのはカナエ塗料の鈴木さんから「あそこに古い電車あるの知ってますか?」の一言でした。
あそことはナガラ様の三重工場の敷地内。一目見たときに「サビサビになっていてかわいそう…。
再塗装で輝きを取り戻してほしい!」と感じたのを今でも覚えています。
10数年前にナガラ様の会長が社員の食堂・休憩所として買い取ってきたピーチライナーは、屋外での長期間の保管により劣化が著しく進んでいました。
ナガラ様管理部の鈴木様に「塗料だけ買ってもらえれば、他の作業費は一切いただきません。
だから、キレイにさせてください!」と頼み込んだのが2019年の年末です。
ピーチライナーリペイントプロジェクトを開始する2022年9月5日までに、ナガラ様管理部の鈴木様には多大なるご協力をいただきました。
この場を借りて、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
2年7ヶ月は苦労の連続
このプロジェクトはカナエ塗料の鈴木さん、HookPekの福田さんと村上さん、そしてミドリ商会の水野の4人で進めました。
仕事の合間や休日に集まって少しずつ作業してきたのですが、正直この2年7ヶ月は苦労の連続だったのが本音です。
作業前に雨が降ってきたり、突然の予定変更があったりで、集まったものの作業できない日が何日もありました。
特に大変だったのがケレンという作業です。
ケレンは素地についたサビや古い塗膜を落とす塗装前の下準備ですが、車両全体がサビだらけだったので、サンダーで削っても削っても終わる気配がしませんでした。
具体的な作業の流れは①1両目ケレン⇒②錆転換剤「サビテンシルバー」を塗る⇒③下塗り⇒④2両目ケレン⇒⑤「サビテンシルバー」を塗る⇒⑥下塗り⇒⑦上塗り⇒⑧ラインを入れるといった感じです。
長期間の作業だったので、サビの進行を食い止める錆転換剤「サビテンシルバー」は大いに役立ちました。
どんどん広がった人とのつながり
ピーチライナーリペイントプロジェクトは2年くらいで仕上げるつもりでしたが、結局7ヶ月もオーバーしてしまいました。
ただ長い時間をかけて作業したことで、不思議と人とのつながりが広がっていったんです。
ナガラ様の新入社員の方に研修として塗装作業を教えたり、噂を聞いて作業中のピーチライナーを見に来る人がいたり。プロジェクトをやっていく上で、色々な人が関わってくれたのが素直に嬉しかったですね。
単純に修復して塗装しなおすだけであれば、人手とお金をかければ数日で仕上げられたと思います。
しかし、このプロジェクトは電車を完成させるのが目的ではなかったんです。
なかなか言葉では言い表せないですが、私が常に大事にしている「真面目におもしろいことにチャレンジする」を実現できたプロジェクトだったと思います。
ピーチライナーに携わった人たちに喜んでもらいたい
ピーチライナーリペイントプロジェクトは塗料メーカーであるカナエ塗料、塗料販売店であるミドリ商会、塗装作業店のHookPekの「製販装」の3社が力を合わせたからこそ成し遂げられた仕事です。
普段の仕事では「あちら立てればこちらが立たぬ」のことも多いので、3社一体で成し遂げられたのは嬉しかったですね。
このプロジェクトは、以前ピーチライナーに関わった全ての人たちに喜んでもらいたいという想いで完成できたと思います。
最初は当時のデザインを復元するのではなく、目立つ色やデザインへの変更も考えていましたが、最終的には「懐かしく感じてもらいたい」と思い、当時のカラーリングを再現しました。
インターネットで現役だったころのピーチライナーの写真を検索して、何とか仕上げることができました。
完成したピーチライナーは事前に連絡してもらえれば見に行けます。当時ピーチライナーに関わっていた方は、ぜひ一度見に行ってもらえれば嬉しいです。
ピーチライナーの活躍はこれから
ピーチライナーリペイントプロジェクトは、再塗装の完了を持って一旦終了となります。
しかし、復活してピーチライナーが活躍するのはこれからです。
ナガラ様ではピーチライナーを見ながらのお花見やバーベキューなどを企画しています。
社員さんの交流の場としてピーチライナーをこれからも使っていただけるのはとても嬉しいですね。
ミドリ商会ではピーチライナーを活用してのイベントのアイデアを募集しています。お気軽にご連絡していただければ幸いです。
今後もピーチライナーは皆さんの心の中で走り続けます。応援いただき、本当にありがとうございました。
■ピーチライナーリペイントプロジェクトのメンバーから一言
「開始当初は哀愁を感じたピーチライナーが今は生気を取り戻したかのように見えています。(※個人の感想です)多くの方に見ていただきたいと思います。」カナエ塗料 鈴木
「徐々にキレイになっていくピーチライナーを見て完成をワクワクしながら楽しんで塗装させていただくことができました。多くの人に喜んでもらえると嬉しいです。」HookPek 村上
「自身が得意とする塗装を通じて、『誰かが楽しめるきっかけを創造 する』ことができたことを嬉しく思います。これからもたくさんの人が関わるものになっていくことを願っています。」HookPek 福田
「YouTubeやInstagramを通して応援メッセージをお送りいただいた方々に感謝申し上げます。
今回のプロジェクトを通して、ピーチライナーに興味がある方々、携わった方々、ナガラの社員の皆様に喜んでいただければ幸いです。ありがとうございました。」ミドリ商会 水野